この記事を読むと?
預貯金の相続手続きの概要や方法を知ることが出来ます。預貯金の相続に直面し、進め方が分からないという方や、手続きに必要なものが知りたいというような方にお役立ていただける記事になっておりますので、是非とも参考にして頂けたらと存じます。(2021年6月現在)
預貯金の相続手続きとは
預貯金の相続手続きとは、金融機関が口座名義人の死亡を知った時に口座凍結をする為、それを解除するのに必要な手続きを言います。口座が凍結になるということは、その口座からの引き出し、引き落とし、預け入れといったことが出来なくなります。これは、相続人の中で、勝手に遺産から引き出すようなことがあった場合、相続トラブルになることがある為、それを防ぐように金融機関が凍結させるのです。
なお、慌てて勝手に預金口座から出金したりすると、脱税が疑われたり、単純承認したとみなされたりします。これは、被相続人に多額の借金がある場合でも相続しなければならない状況になりかねないので、注意が必要です。
預貯金の相続ですべきこと
まずは、預貯金口座はどこの金融機関で、どのくらいの金額があるのかを知ることです。こちらに関しては、相続財産の調査で行うかと思います。
次に、遺言書の内容や遺産分割協議の決定事項に沿って、誰が相続するかをなるべく早く確定させましょう。早期の口座凍結解除や、のちの相続税の申告などに間に合わせる為にもスピーディーな対応が必要になります。
預貯金の相続手続きに必要な書類は以下の通りになります。
☆預貯金の相続手続きに必要な書類
・名義書き換え依頼書
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書
・被相続人の預金通帳・キャッシュカード・届出印
・遺言書(ある場合)
⇒自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合
正本・検認調書
⇒公正証書遺言の場合
公正証書遺言の謄本の原本
・遺産分割協議書
以上を金融機関に提出し、名義変更等をしてもらう流れになります。
ちなみに、戸籍謄本を金融機関に提出すると、処理に1~2時間かかります。これほど窓口で待たされることなく、簡素化したいというような方は、法定相続情報証明制度を活用すると良いでしょう。こちらに関しても、別の記事で掲載させていただきます。
まとめ
以上が預貯金の相続手続きについてでした。
被相続人の預貯金の相続に関しては、提出書類や収集しなければならないものも多く煩雑です。その上、相続人の方は出来るだけ早く名義変更手続きをしなければなりません。また、金融機関とのやり取りになる為、金融機関の窓口の営業時間に伺わなくてはなりません。ご自身で行う時間がない方や、手続きが手間というような方がいらっしゃいましたら、是非ご相談頂けたらと存じます。