この記事を読むと?
成年後見制度の概要について知ることが出来ます。よく聞く制度だけど中身が分からないという方や、どのような種類があるのか知りたいというような方にお役立ていただける記事になっております。是非ご相談頂けたらと存じます。(2021年6月現在)
成年後見制度とは
成年後見制度とは、認知症や精神障害といったことが原因で判断能力が不十分な方に対して、成年後見人などが本人に代わって財産管理等を行い、生活の支援を行っていく制度です。成年後見制度には2つの制度があり、「法定後見制度」と「任意後見制度」があります。それぞれの概要についてご説明致します。
法定後見制度とは
法定後見制度とは、認知症や精神障害などといったことから判断能力が不十分な方に対して適用される保護制度になります。認知症の方を狙った消費者被害などによる不利益の保護を目的としています。
法定後見制度には、その方の判断能力の度合いにより「後見」「保佐」「補助」の3つの種類に分けられています。「後見」は精神上の障害によって、判断能力を欠いている者。「保佐」は精神上の障害によって、判断能力が著しく不十分な者。「補助」は精神上の障害によって、判断能力が不十分な者という基準になります。
法定後見制度は、申立人が家庭裁判所に法定後見の審判の申し入れを行い、そちらが確定することで開始されます。法定後見人に選任されるのは、弁護士や司法書士、被後見人のご家族などですが、被後見人に訴訟を起こしていたり、未成年のご家族は法定後見人にはなれません。
任意後見制度とは
任意後見制度とは、認知症や精神障害などになる前に、あらかじめ将来の支援者(任意後見人)や実際に支援してもらうことを決定しておく制度になります。なお、判断能力が不十分になったときに支援を始めるための契約を任意後見契約と言います。任意後見制度は、任意後見監督人が任意後見人の仕事を管理します。任意後見監督人がつかず、本人が任意後見人の仕事の確認をする契約を任意代理契約と言います。
任意後見契約には、即効型・将来型・移行型の3種類があります。
☆即効型
任意後見契約を締結した後、直ちに任意後見監督人選任審判の申し立てを行う契約体系。
☆将来型
任意後見契約を締結した後、本人の判断能力に衰えが見えてきた際に任意後見監督人選任審判の申し立てを行う契約体系。
☆移行型
生前から本人の見守りを行ったり、本人の委任代理人として業務を行い(生前事務委任契約)、本人の判断能力が衰えてきた際に任意後見監督人選任審判の申し立てを行う契約体系。
まとめ
以上が成年後見制度の概要になります。法定後見制度の方が一般的に認知度が高いかと思いますが、任意後見制度の方は、生前から事前に準備が出来るということが特徴になります。認知症対策の一環として活用していける制度になりますので、家族信託等も含め、ご自身の状況に応じてご検討してみてはいかがでしょうか。弊事務所でもご相談を承っておりますので、お気軽にご相談頂けたらと存じます。