相続欠格について

相続

この記事を読むと?

 相続欠格について知ることが出来ます。相続欠格とはどういう制度なのか知りたいという方や、相続放棄や相続人の廃除との違いについて知りたいという方などにお役立ていただける記事になっております。是非ともご参考にして頂けたらと存じます。(2021年7月現在)

相続欠格とは

 相続欠格とは、被相続人や先順位の相続人に対する殺人または殺人未遂などの行為で刑に処されたり、強迫などにより被相続人に遺言書を書かせたり、撤回させたりした相続人から相続権を剥奪する制度のことを言います。殺人、殺人未遂、隠蔽、遺言書の改ざん、隠匿、遺言書作成に関する強迫、詐欺などといった相続欠格事由から相続欠格者になります。

相続放棄や相続人の廃除との違い

 類似する制度として、相続放棄や相続人の廃除が挙げられます。どの制度も似通って見えますが、それぞれ効果や必要事項が違います。各制度の一部を比較したものは、以下の通りになります。

☆ 代襲相続
相続欠格   ⇒ 可能 〇
相続人の廃除 ⇒ 可能 〇
相続放棄   ⇒ 不可能 ✕

☆ 被相続人の意思表示
相続欠格   ⇒ 不要
相続人の廃除 ⇒ 必要

☆ 家庭裁判所の審判
相続欠格   ⇒ 不要
相続人の廃除 ⇒ 必要

☆ 戸籍への記載
相続欠格   ⇒ なし
相続人の廃除 ⇒ あり
相続放棄   ⇒ なし

 代襲相続については、相続放棄のみが出来ません。相続欠格者や被廃除者の子供にまで相続権の剥奪をする権利はないとの見方から、相続欠格・相続人の廃除は代襲相続可能になります。
 被相続人の意思表示については、相続人の廃除は遺言若しくは直接、家庭裁判所に請求することが必要になるので、被相続人の意思表示は必要です。しかし、相続欠格は相続欠格事由を行ったことから当然に相続欠格者になりますので、被相続人の意思表示は不要です。
 戸籍への記載に関しては、相続人の廃除のみが記載されます。相続欠格は戸籍に記載されないので、相続欠格者自身が作成する相続欠格証明書で証明します。

まとめ

 以上が、相続欠格についてでした。相続放棄や相続人の廃除との違いもあり、それぞれ必要なことが変わってきますので、注意しましょう。社会通念上に当然ではありますが、必ず誰しもが無条件で相続を出来るわけではありません。ご家族での円満な相続を出来るよう心掛けていきましょう。弊事務所でも遺言書の改ざんが行われないよう、公正証書遺言の原案作成サポートを行っております。お問い合わせの上、是非ともお気軽にご相談頂けたらと存じます。

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