この記事を読むと?
相続人の調査の際に、所在不明の相続人がいた場合の対処について知ることが出来ます。遺産分割協議を行いたいけれど、相続人に行方不明の人がいるという状況の方や、もし相続人に所在不明の人がいたら不安というような方などにお役立ていただける記事になっております。是非ともご参考にして頂けたらと存じます。(2021年7月現在)
遺産分割協議の前提条件
遺産分割協議は、相続人全員が参加しなければ有効になりません。その為、相続人の中に所在不明の人がいる場合に、そのまま遺産分割協議を進めても無効になってしまいます。金融機関の解約が出来なかったり、不動産の相続登記が出来ないことで不動産の売却が出来なかったり、遺産分割協議が成立しないことで様々な弊害が生じてしまいます。ですから、所在不明の相続人がいる場合は必ず問題を解消しなければならないのです。
所在不明の相続人がいる場合
では、実際に所在不明の相続人がいる場合はどうすればよいのでしょうか。まず戸籍附票を取り寄せて、住所を確認した上で居住が確認出来なかった場合は解決策を考えていかなければなりません。
その解決策として、失踪宣告の申し立てをするか、不在者の財産管理制度を活用するかが挙げられます。
① 失踪宣告の申し立て
所在不明の者の生死が明らかでない(普通失踪)、または船舶などの遭難や事故により所在不明の者の生死が1年間明らかでない(特別失踪)場合は死亡したものとみなされる制度です。その為の申し立ては、利害関係者が家庭裁判所に対し行うことが出来ます。申し立てを受け、家庭裁判所が失踪宣告を行うことで遺産分割協議が可能になります。
② 不在者の財産管理制度
不在者の代わりに財産管理や遺産分割協議に参加したりする人を立てる制度です。利害関係者が家庭裁判所に対して申し立てをし、家庭裁判所が財産管理人を選任します。遺産分割協議に参加する場合は、権限外行為許可の手続きが必要になります。
まとめ
以上が、所在不明の相続人がいる場合についてでした。放っておくことが出来ない問題でありますし、スムーズな相続手続きを行うためにも、抑えておくべき事項であります。また、所在不明の相続人を把握する為には早期の相続人調査がカギになってくるかと思います。弊事務所では、相続人調査をはじめとする相続手続きサポートを行っております。お問い合わせの上、是非ともお気軽にご相談頂けたらと存じます。